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西洋占星術では山羊座、インド占星術では射手座? 同じ誕生日でも星座が変わる理由

執筆者の写真: 保戸砥 和
保戸砥 和
9月7日
読了時間: 6分

更新日:9月13日

「私は山羊座です」

ずっとそう思っていたのに、インド占星術で自分のホロスコープを調べてみたら「射手座」と表示された。

「同じ生年月日なのに、どうして星座が変わるの?」と思うかもしれません。

これは、どちらかの計算が間違っているわけではありません。

西洋占星術とインド占星術(ジョーティッシュ)では、天体の位置を12サインに当てはめるときに、異なる基準を使っているためです。

同じ日に、同じ場所で、同じ時刻に生まれた人でも、使う占術によって太陽や月が別のサインに表示されることがあります。

今回は、同じ5人の出生データを西洋占星術とジョーティッシュの両方で見ながら、「なぜ星座が変わるのか」を見ていきましょう。

西洋占星術では、5人とも山羊座

まずは、5人の人物を西洋占星術で見てみます。

今回用意したのは、年齢も国籍も異なる5人です。いずれも架空の人物ですが、生年月日・出生時刻・出生地を設定し、実際の天体位置に基づいて星座を算出しています。

西洋占星術で見ると、5人の太陽は全員が山羊座です。

ところが月星座を見ると、蠍座、乙女座、水瓶座、牡羊座、蟹座と、5人とも異なります。

同じ「山羊座の人」でも、生まれた日や時刻が違えば、月の位置も違います。

太陽星座だけでは見えてこなかった違いが、月星座まで見ることで現れてきます。



では、この5人をインド占星術で見たらどうなるのでしょうか。

同じ5人をインド占星術で見てみると?

まったく同じ生年月日・出生時刻・出生地を使って、今度はインド占星術(ジョーティッシュ)の方法で計算してみます。

すると、少し驚く結果になります。

西洋占星術では全員が山羊座だった太陽が、ジョーティッシュでは5人とも射手座になります。

月も、蠍座から天秤座、乙女座から獅子座、水瓶座から山羊座、牡羊座から魚座、蟹座から双子座へと変わりました。



同じ人の、同じ出生データを使っているのに、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。

なぜ同じ人なのに星座が変わるの?

大きな理由は、西洋占星術とジョーティッシュでは、12サインの基準となる黄道の取り方が異なることにあります。

現代の西洋占星術で広く使われているのは、「トロピカル・ゾディアック(回帰黄道)」と呼ばれる方式です。

トロピカル方式では、春分点を牡羊座0度として、そこから黄道を30度ずつ12のサインに分けていきます。

一方、ジョーティッシュでは、「サイデリアル・ゾディアック(恒星黄道)」を使います。

サイデリアル方式では、恒星を基準として天体の位置を12サインに当てはめます。

つまり、西洋占星術とジョーティッシュは、同じ太陽や月を見ていても、その位置を測るために使っている基準が異なるのです。

2つの黄道には、なぜズレがあるの?

トロピカル方式とサイデリアル方式の違いを理解するときに関係してくるのが、「歳差(さいさ)」です。

地球の自転軸は、コマの軸のように非常にゆっくりと向きを変えています。

そのため、春分点は恒星を背景に少しずつ移動していきます。

トロピカル方式では春分点を牡羊座0度の基準とするため、この移動に合わせてサインの基準も動きます。

一方、サイデリアル方式では恒星を基準にするため、長い年月の中で両者の位置にはズレが生まれてきました。

現在、この差はおよそ24度あります。

ジョーティッシュでは、このトロピカルとサイデリアルの位置の差を補正するために「アヤナムシャ」と呼ばれる値を用います。

アヤナムシャにはいくつかの方式がありますが、この記事では「ラヒリ・アヤナムシャ(Chitrapaksha)」を使用しています。



約24度ずれると、星座はどう変わる?

ひとつのサインは30度です。

そこから約24度位置がずれると、多くの場合、ジョーティッシュでは西洋占星術よりひとつ前のサインに天体が位置することになります。

たとえば、西洋占星術で月が蠍座10度付近にある場合、ラヒリ・アヤナムシャで補正すると、ジョーティッシュでは天秤座16度前後になります。

ただし、必ずひとつ前のサインになるわけではありません。

たとえば西洋占星術で山羊座28度付近に天体があった場合、そこから約24度補正しても山羊座の範囲に残ります。

そのため、西洋占星術とジョーティッシュで同じサインになる天体もあれば、ひとつ前のサインへ移る天体もあります。

今回の5人は、西洋占星術での太陽がいずれも山羊座の前半に位置しているため、ラヒリ・アヤナムシャを用いたジョーティッシュでは、5人とも射手座になりました。

月についても今回の5人はすべてひとつ前のサインへ移りましたが、いつでもこのようになるわけではありません。

ジョーティッシュでは、月をさらに細かく見る

西洋占星術とジョーティッシュでは、サインの基準だけでなく、ホロスコープを読み解くための技法にもさまざまな違いがあります。

ジョーティッシュで月を見るときに重要になるもののひとつが、「ナクシャトラ」です。

ナクシャトラでは、黄道を12ではなく27の領域に分け、月がどの領域に位置しているのかを見ていきます。

そのため、ジョーティッシュでは「月が何座なのか」に加えて、「どのナクシャトラにあるのか」という別の角度からも月を読み解いていきます。

同じ出生データでも、占術が変われば、使われる基準だけでなく、そこから何に注目して読み解くのかも変わってくるのです。

では、どちらの星座が本当なの?

西洋占星術では山羊座なのに、ジョーティッシュでは射手座。

こう聞くと、「結局、私はどちらの星座なの?」と思うかもしれません。

でも、これはどちらか一方が正しく、もう一方が間違っている、という話ではありません。

西洋占星術とジョーティッシュでは、天体の位置を表すために異なる基準を採用し、それぞれの体系の中でホロスコープを読み解いています。

同じ空を見ていても、どこを基準にするかによって、そこに描かれるホロスコープは変わります。

そして、それぞれの占術には、その基準の上に積み重ねられてきた独自の読み方や技法があります。

そのため、サインだけを取り出して「どちらが本当か」を比べるより、それぞれをひとつの占術体系として見ていくほうが、その違いを楽しめるのではないでしょうか。

西洋占星術とインド占星術、あなたはどちらがしっくりくる?

2つの占術を知ると、「では、自分にはどちらが合っているのだろう?」と思う人もいるかもしれません。

西洋占星術の考え方がしっくりくる人もいれば、ジョーティッシュの考え方に興味をひかれる人もいるでしょう。

あるいは、両方を知ることで、「こちらから見ると、こんな自分も見えてくるんだ」と感じることもあるかもしれません。

占術との相性は、「どちらが自分を正しく言い当てているか」だけで決めなくてもよいのかもしれません。

その占術を通して、自分では気づかなかったことに気づいたり、違う角度から自分や人生を眺められたりする。

そんなふうに、それぞれの占術が持つ異なる視点を楽しみながら、自分にしっくりくる見方を探してみるのも、占いの楽しみ方のひとつです。


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